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2026/03/25 (更新: 2026/07/19)

造園業の見積書の書き方ガイド【2026年版】|作成例・単価表つきで初心者でもすぐ書ける

見積書造園業書き方単価テンプレート剪定作成例

造園業で独立したばかりの方や、これまで口頭で金額を伝えていた方にとって、「きちんとした見積書を作りたいけど、何を書けばいいのかわからない」というのはよくある悩みです。

実際、見積書の書き方ひとつでお客様の信頼度は大きく変わります。明細が丁寧に書かれた見積書は「この業者はしっかりしている」という安心感につながり、受注率アップに直結します。

この記事では、造園業の見積書に必要な記載項目から、剪定・伐採・草刈りの作業別見積り作成例、単価の決め方、よくある失敗例まで、実務ですぐに使える情報を網羅的に解説します。造園業全般(剪定・草刈り・伐採・植栽など)の見積書を横断的にまとめたガイドです。

なお、剪定だけに特化した見積書の書き方(樹種別・高さ別の品目分解、相見積りで勝つコツ)を詳しく知りたい方は「剪定の見積書の書き方」を、伐採に特化した見積書(高さ・幹径・処分費・重機費・抜根の分解)は「伐採の見積書の書き方」を、草刈りに特化した見積書は「草刈りの見積書の書き方」をあわせてご覧ください。

見積書に必要な項目

造園業の見積書には、以下の項目を記載しましょう。

項目 説明
宛名 お客様の氏名・法人名 鈴木一郎 様
発行日 見積書の作成日 2026年3月25日
見積番号 管理用の通し番号 EST-2026-001
品目 作業内容の詳細 中木剪定(H1〜3m)
数量・単位 本数や面積 3本
単価 1単位あたりの金額 ¥8,000
小計 品目ごとの合計 ¥24,000
消費税 税率ごとに区分 ¥2,400(10%)
合計金額 税込み総額 ¥26,400
有効期限 見積りの有効期間 発行日より30日
備考 特記事項 駐車場あり

単価の決め方

造園業の単価は、相場に合わせて決めるものではなく、自社の原価から逆算して決めるものです。相場だけを見て値付けすると、移動や処分の手間が同じだけかかる小さな現場ほど赤字になります。ここでは一人親方・少人数の事業者がそのまま使える手順を4つのステップで示します。

ステップ1: 自分の時間単価を出す

すべての単価の土台になるのが、自分が1時間働くのにいくら必要かという数字です。

項目
目標年収 ¥4,000,000
必要経費(車両・機材・燃料・保険・通信) ¥1,500,000
必要な売上(合計) ¥5,500,000
年間稼働日数 240日
1日の実作業時間 6時間
年間実作業時間 1,440時間
時間単価 ¥5,500,000 ÷ 1,440時間 ≒ ¥3,820

ここで使うのは「拘束時間」ではなく実際に手を動かしている時間です。移動・見積り・請求・資材の調達といった時間はお客様に直接請求できないため、実作業時間を多く見積もるほど単価が低く出て赤字に近づきます。雨天や閑散期を考えると、年間稼働240日でも強気の想定です。

ステップ2: 作業ごとの標準時間を実測する

時間単価が出たら、次は自分の作業スピードを実測します。ストップウォッチで1回測るだけで、その後何年も使える数字になります。

  • 中木1本の剪定に40分 → ¥3,820 × 40/60 ≒ ¥2,550(この作業の原価)
  • 刈払機で1時間に120平米 → ¥3,820 ÷ 120平米 ≒ ¥32/平米(草刈りの作業原価)

他人の相場ではなく自分の実測値を使うのが要点です。同じ「中木1本」でも、脚立で届く庭木と電線が近い庭木では倍以上の差が出ます。

ステップ3: 現場ごとに乗る費用を上乗せする

作業原価だけで見積もると、次の4つが必ず抜け落ちます。

  • 移動時間: 往復1時間なら、その現場に ¥3,820 が乗ります。近所の現場と車で1時間の現場を同じ単価で受けてはいけません
  • 処分費: 枝葉・刈草の処分は軽トラ1台あたり ¥3,000〜8,000 が実費の目安。自治体の処理施設か産廃業者かで大きく変わるため、必ず自分の地域の実額を使います
  • 機材の消耗とリース: チェーンソーの刃、刈払機の替刃、高所作業車のリース代
  • 危険作業の割増: 高所、電線の近く、隣家との境界ぎりぎりなど、事故のリスクが高い作業には割増を設定します

ステップ4: 最低受注額を決める

最後に「1現場あたり、これ以下では受けない」という金額を決めます。移動と準備・片付けだけで2時間かかるなら、それだけで ¥7,600 の原価です。小口の依頼を相場どおりの単価で受け続けると、働くほど赤字になります。最低受注額 ¥15,000 のように決めて見積書の備考にも明記しておくと、値引き交渉の歯止めにもなります。

相場と照らし合わせる

原価から自社単価を出したら、最後に相場と比べます。目安は以下のとおりです。

剪定の単価目安

  • 低木(H1m未満): 1本 ¥1,000〜3,000
  • 中木(H1〜3m): 1本 ¥5,000〜10,000
  • 高木(H3〜5m): 1本 ¥10,000〜25,000
  • 植込み剪定: 1平米 ¥300〜800

草刈りの単価目安

  • 平米単価: 1平米 ¥80〜300(草丈・傾斜・処分の有無で変動)
  • 日当: 1人1日 ¥15,000〜25,000

伐採・抜根の単価目安

  • 伐採(中木): 1本 ¥8,000〜20,000
  • 抜根(中木): 1本 ¥10,000〜30,000
  • 伐採(高木): 1本 ¥20,000〜50,000

原価から出した単価が相場を大きく下回っていたら、経費や実作業時間の見落としを疑ってください。逆に大きく上回る場合は、作業効率か、受注する現場の選び方に改善の余地があります。 作業別のより詳しい相場は「【2026年版】剪定の料金相場まとめ」「草刈りの料金相場」で解説しています。

工事と手入れでは消費税の事業区分が変わるため、見積書の品目も分けておくと後の集計が楽になります(「造園業は建設業?サービス業?」)。

決めた単価は、その都度思い出すのではなく品目カタログとして登録しておくと、見積書の作成が選ぶだけで終わります。niwakuraでは自社の単価を登録しておけば、現場で品目を選ぶだけで金額が入ります。

見積書をプロフェッショナルに見せるコツ

1. 品目を細かく分ける

「庭木手入れ一式 ¥50,000」のような書き方は避けましょう。お客様は「何にいくらかかっているのか」が見えないと不安になります。

悪い例:

  • 庭木手入れ一式: ¥50,000

良い例:

  • 中木剪定(H2m): 3本 × ¥8,000 = ¥24,000
  • 植込み剪定: 15㎡ × ¥500 = ¥7,500
  • 枝葉処分: 1台 × ¥15,000 = ¥15,000
  • 運搬費: 1式 × ¥3,500 = ¥3,500

2. 写真を活用する

現場写真を添付すると、お客様との認識のずれを防げます。特に「どの木を剪定するか」を明確にしておくとトラブルを避けられます。

3. 有効期限を設ける

見積書には有効期限(通常30日)を設定しましょう。材料費の変動や繁忙期の人手不足に対応できます。

見積書の保管と管理

見積書は発行して終わりではありません。適切に管理することで、業務の効率化と信頼性の向上につながります。

見積番号の付け方

見積番号は「年-通し番号」の形式が一般的です。例えば「EST-2026-001」のように、年度と番号で管理すると過去の見積りを検索しやすくなります。

見積りから請求への流れ

見積りが承認されたら、そのまま請求書に変換できると効率的です。請求書の記載項目やインボイス対応の書き方は「造園業の請求書の書き方」で記入例つきに解説しています。見積書の内容を手作業で請求書に転記するのは、ミスの原因にもなります。niwakuraでは見積書から請求書へワンタップで変換でき、二重入力の手間がなくなります。

インボイス制度への対応

2023年10月から始まったインボイス制度により、適格請求書発行事業者の登録番号を記載する必要があります。インボイス制度の詳細と登録手順については「造園業のインボイス制度対応ガイド」をご覧ください。

見積書の段階では登録番号の記載は必須ではありませんが、請求書には必ず記載しましょう。適格請求書の記載事項は国税庁タックスアンサー「No.6625 適格請求書等の記載事項」に、登録番号の構成(法人番号を持たない事業者は「T+13桁の数字」)は「No.6498 適格請求書等保存方式(インボイス制度)」に定められています。

niwakuraでは設定画面で登録番号を入力しておけば、自動で請求書に記載されます。

作業別の見積書作成例

実際の見積書がイメージしやすいように、作業別の具体例を紹介します。

剪定の見積書サンプル

個人宅の庭木剪定(中規模)の見積例です。

品目 数量 単価 金額
中木剪定(マキ H2.5m) 2本 ¥8,000 ¥16,000
中木剪定(モチノキ H2m) 1本 ¥6,000 ¥6,000
低木剪定(ツツジ・サツキ) 5㎡ ¥500 ¥2,500
生垣剪定(カイヅカイブキ L8m) 8m ¥2,000 ¥16,000
枝葉処分 軽トラ1台 ¥8,000 ¥8,000
運搬費 1式 ¥3,500 ¥3,500
小計 ¥52,000
消費税(10%) ¥5,200
合計(税込) ¥57,200

ポイントは樹種と高さを明記することです。「庭木剪定」とだけ書くと、お客様はどの木がいくらなのかわかりません。剪定に特化した品目分解のルールや、そのまま使える無料テンプレートは「剪定の見積書の書き方」で詳しく解説しています。

草刈りの見積書サンプル

アパート敷地の草刈り(150平米)の見積例です。草刈りの料金相場の詳細は「草刈りの料金相場まとめ」をご覧ください。

品目 数量 単価 金額
草刈り作業 150㎡ ¥150 ¥22,500
際刈り(フェンス・建物周り) 1式 ¥5,000 ¥5,000
刈草収集・処分 軽トラ1台 ¥6,000 ¥6,000
除草剤散布 150㎡ ¥300 ¥45,000
小計 ¥78,500
消費税(10%) ¥7,850
合計(税込) ¥86,350

草刈りの見積りでは、刈草の処分費を別立てにすることが重要です。お客様の中には「処分は自分でやるから安くしてほしい」という方もいるため、柔軟に対応できます。長期的な雑草対策として防草シート施工を見積りに組み込むケースも増えています。単価の目安は「防草シートの料金相場ガイド」を参考にしてください。草刈りに特化した面積単価・草丈別割増・個人宅/空き地/法人別の記入例は「草刈りの見積書の書き方」で詳しく解説しています。

伐採・抜根の見積書サンプル

庭木の伐採と抜根の見積例です。伐採・抜根の料金相場は「庭木の伐採・抜根の料金相場ガイド」で、高さ・幹径・処分費・重機費・抜根に分解した見積書の記入例やそのまま使える無料テンプレートは「伐採の見積書の書き方ガイド」で詳しく解説しています。

品目 数量 単価 金額
中木伐採(クスノキ H4m) 1本 ¥25,000 ¥25,000
低木伐採(サザンカ H1.5m) 2本 ¥5,000 ¥10,000
抜根(中木) 1本 ¥20,000 ¥20,000
幹・枝葉処分 2tトラック1台 ¥25,000 ¥25,000
整地 1式 ¥10,000 ¥10,000
小計 ¥90,000
消費税(10%) ¥9,000
合計(税込) ¥99,000

伐採・抜根は、処分費の割合が大きいのが特徴です。幹の太さや重機の使用有無で金額が大きく変動するため、現場確認後の見積りが基本です。

よくある見積りの失敗例

初めて見積書を作成する方がやりがちな失敗例を紹介します。

口頭だけで金額を伝える

「だいたい5万円くらいです」と口頭で伝えて作業を始めると、後から「聞いていた金額と違う」というトラブルになりがちです。必ず書面(PDF可)で見積りを提示しましょう。なおPDFで発行した書類に印紙税はかかりません。工事請負契約書や5万円以上の領収書を紙で渡すときの扱いは「請求書・領収書の印紙税ガイド」で解説しています。

諸経費を見積りに入れ忘れる

運搬費、枝葉処分費、駐車場代などの諸経費を見積りに含め忘れると、利益が減ってしまいます。チェックリストを作って漏れを防ぎましょう。

値引きの根拠がない

「勉強しておきます」と安易に値引きすると、次回以降もその金額を求められます。値引きする場合は「まとめ発注なので処分費を割引」など、理由を明確にしましょう。

よくある質問

Q. 見積書はExcelやWordで作るべき?

手書きやExcelでも問題ありませんが、毎回フォーマットを整えるのは手間です。niwakuraのような造園業特化のアプリを使えば、品目カタログから選ぶだけで見積書が完成します。

Q. 見積りの有効期限はどれくらいが適切?

一般的には30日が標準です。ただし、繁忙期(6〜7月)は人手の確保が難しくなるため、14日に短縮することもあります。材料費が変動しやすい時期も短めに設定しましょう。

Q. 見積りを出してから返事がないときは?

1週間程度待ってから、確認の連絡を入れましょう。「ご不明な点があればお気軽にお問い合わせください」と添えると、お客様も相談しやすくなります。

Q. 追加作業が発生した場合はどうする?

作業中に追加の剪定や処分が必要になった場合は、必ず作業前にお客様に確認しましょう。口頭でも構いませんが、できれば追加見積りを出すのがベストです。

Q. 値引き交渉されたらどう対応する?

安易な値引きは避けましょう。どうしても予算に合わない場合は、作業範囲を調整する提案(「高木2本を来年に回す」など)が効果的です。

まとめ

見積書は、お客様との信頼関係を築く最初の一歩です。丁寧に作成された見積書は、あなたのプロフェッショナルさを伝えます。

見積書作成のポイント:

  • 品目は「一式」ではなく樹種・高さ・面積まで細かく記載する
  • 剪定・草刈り・伐採それぞれに適した単価の書き方がある
  • 諸経費(処分費・運搬費)を忘れずに計上する
  • インボイス対応の請求書につなげやすい税率区分を意識する

これから造園業で独立を考えている方は「造園業で独立するための完全ガイド」もあわせてご覧ください。

庭の手入れ全般の料金相場を知りたい方は「庭の手入れの年間費用まとめ」もあわせてご覧ください。

建て替えや新築時の植栽見積りについては「建て替え・新築の植栽費用と庭木の移植ガイド」で詳しく解説しています。

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